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であると判断できる。
もっと正確に距離を測定する場合には可変マーカーを使用する。これは画面上に一つの円が現れ、可変マーカーつまみを回すことによって円の大きさが変わるので、この円が物標の映像の上は重なるようにすると、同時にそこまでの距離が指示器のパネル面にデジタルで表示されるものである。
(1)固定マーカー回路
固定マーカーを作るためには、一定間隔のパルスを作り出す必要がある。これにはいろいろな方法があるが、一般にはLC発振回路や水晶発振回路が用いられている。
必要なマーカーを作るための一定間隔のパルス周波数は、次のようにして作られる。例えば、15?を往復するために必要な時間tは、電波の速度を3×10 8(m/s)とするとt=2D/3×10 8=100μsであるから、周波数はこの逆数の

 

 

059-1.gif

 

 

となる。レーダでは一般に距離の単位として海里(マイル)が使用され、1海里は1,852mであり、電波が1海里を往復する時間は12.346μsとなって、周波数では80.994kHzに対応する。
このため、原発振回路では16.199MHzを発振し、ゲートパルスをかけて掃引線内だけ発振させ、これをICの分周回路によって各レンジで必要な固定マーカーに対応した周波数にまで分周する。レンジスイッチによって所要の周波数を選択すると、この出力を微分して増幅し、ビデオ回路を通してCRTに表示する。マーカー回路の系統の一例を図3・36に示す。

 

 

059-2.gif

 

 

図3・36 固定マー力一系統図(周波数は一例を示す)

 

 

(2)可変マーカー
可変マーカーは物標の映像が固定マーカーの間にあるような場合に、物標までの距離を正確に測定するときに用いる。
可変マーカーの構成を図3・37に示す。
単安定マルチバイブレータでトリガに同期したゲートを作り、このゲー

 

 

 

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